嬉しいときにはスキップをしたくなったり、落ち込んだときにはタメ息が出たりと、一般的には心の動きが身体に影響を及ぼしていると考えられていますが、実は身体の動きが心に影響を与えていることもあるのです。
今日は身体の動きや姿勢で氣分を変える方法をお伝えして、緊張をほぐしたり、落ち込んだ氣分を上げたりといったことに使っていただければと思います。
●呼吸、ゆっくりと長く吐いてリラックスする
身体の動きを使って氣分を変える方法で有名なものとして、緊張をほぐすための深呼吸が挙げられます。みなさんも、一度ぐらいはやったことがあるのではないでしょうか。
一般的には「吸って吐いて」の順番で行うように言われていますが、「吐いて吸って」の順番で行った方が新鮮な空気をたくさん取り入れることができるのでより緊張をほぐすことができます。
その他にも、腹式呼吸で、吐くときはゆっくりと長く吐き、吸うときは鼻からゆっくり吸う、という点に注意して行うとリラックス効果が高まります。
●筋肉を弛めて不安やストレスを和らげる
肩をギュッとすぼめてからストンといっきに落とすことで、筋肉を弛緩し不安やストレスを和らげることができます。また、椅子などに座った状態で腕の重みを感じたり、腕の暖かみを感じたりして身体全体をリラックスさせる「自律訓練法」という方法もあります。
●笑顔になると愉快になる
面白いことがあると人は笑いますが、面白いことがないときでも、笑顔を作ったり口角を上げたりすることで愉快な氣分になったりします。
また、「イー」(口が横に広がる)という発声と「ムー」(唇がとんがる)という発声をしたときの氣分(快-不快)を比較するという調査では、イーの方がムーよりも「快」であるという結果になったそうです。他にも、緊張-弛緩ではイーの方がムーよりも「弛緩」し、興奮-沈静ではイーの方がムーよりも「沈静」するという結果になったそうです。
●姿勢が氣分を作り出す
私たちは落ち込んだりするとうなだれたり背中が丸まったりしますが、逆に、うつむいた姿勢をとることで氣分がだんだんと鬱っぽくなったりもします。
また、姿勢を良くすることでやる氣や集中力が高まりイライラが減ったりもします。
随分前に私がネットで拾ったもので「元氣の出るポーズ」というものがあるのですが、思ったよりも効果があり、折に触れてはやっています。
そのポーズを説明すると「顔は斜め上に向け、左手は腰に、右手は拳を握り天に向かって突き上げる」というものです。
何かのヒーローのポーズのようでちょっと恥ずかしいのですが、やってみると思ったよりも元氣になれます。というか、このポーズで落ち込めという方が無理です。
ちょっと恥ずかしいですが、元氣を出したいときには、みなさまも是非、お試しください。
今回の「身体から氣分を変える」は如何だったでしょうか。ちょっと氣分を変たり、氣持ちを落ち着けたいというときに使っていただけたらと思います。
(参考文献:『動きが心をつくる』春木豊)